
たとえ塗料メーカーが「20年保証」を謳っていても、建物の継ぎ目を埋めるコーキング(シーリング)の寿命はおおよそ5~10年程度であることが一般的です。
たとえば、耐用20年とされる塗料で外壁や屋根をしっかりカバーしても、約10年で劣化するコーキング部分が先に浸水や凍害を招いたり、振動を吸収できずにひび割れが起きやすくなったりします。固い塗膜を形成する無機塗料やフッ素塗料は、揺れを吸収する柔軟性を欠くため、コーキングの寿命切れによる建物ダメージのリスクがむしろ高まる場合もあります。
さらに、劣化したコーキングだけを交換する場合でも足場の設置など最低限の工事コストがかかるため、塗装とコーキングを同時施工するほうがコストパフォーマンスに優れ、家全体を効率的に長持ちさせることができます。
したがって、「12年〜15年程度の耐久性を持つ塗料を選び、コーキングの打ち替えとタイミングを合わせる」ことこそ、結果的に住まいを長期的に守る賢い選択といえます。